コラム

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申請前におさえておきたい保護対象施設のあれこれ

2014-07-31

風俗営業の許可申請で一番初めに考えなくてはいけないことは、まずその営業所で許可が取れるかどうかです。
風俗営業の許可を取得するには用途地域と保護対象施設の場所的要件をクリアしなくてはいけません。
用途地域は電話でも確認ができますが注意が必要なところもありますので、その話はまた別の機会に書くとして、今回は保護対象施設についてご説明します。
よく「不動産屋さんが大丈夫と言っていた」や「前の人も同じような営業をしていたから」はあてになりません。
客付け不動産屋さんは借りてくれた後のことはあまり興味がありません。前の人は無許可営業かもしれないし、今も保護対象施設の要件をクリアしているという保証もありません。その手の話は安易に信用してはいけません。
自分で確認することが大切です。しかし確認しようにも何が保護対象施設か解からなければ確認のしようがありませんので保護対象施設にはどんなものがあるかをこの機会に一度見ておきましょう。
早速、堅苦しい条文をなんか持ち出してすみませんが風適法第1条です。
風適法の1条はとても重要な条文です。なぜ重要かと言うと、「そもそも、なんの目的でこの法律作ったの?」の答えがあるからです。風適法の趣旨を理解することによって全体も把握しやすくなりますのでまずは読んでみましょう。

(目的)
風俗営業に関する法律 第1条
「この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。」
風適法の目的は大きく分けると3つあることがわかります。
①少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止
②善良な風俗と清浄な風俗環境の保持
③風俗営業の健全化
この3つが脅かされるものは規制の対象となりえると思って注意しましょう。
保護対象施設で言うと、少年たちの教育上よくないので学校、図書館、児童福祉施設の近くは営業を制限しますということになります、そして療養中の患者さんがいるような病院、診療所の周辺も風俗環境上、良くないので営業を制限しますということになります。
ではその他の保護対象施設についても具体的に見ていきましょう。
保護対象施設って学校と病院だけと思っていませんか?
確かに学校も病院も保護対象施設に該当しますがその他にも保護対象施設に該当するものがあります。まずは【学校】【図書館】【児童福祉施設】をご覧下さい。東京都の商業地域ですとこの3施設が営業所の半径50m以内にある場合は許可がおりません。

学校

幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学(サテライトキャンパスなども含む)、盲学校、ろう学校、養護学校 (学校教育法第1条)1条校と言われる学校です。学習塾などは1条校ではありません。東京都の商業地域の場合は、大学は20m、その他の学校は50m以上離れていないと許可が取れません。

図書館

地方公共団体、日本赤十字社、一般社団法人、一般財団法人が設置するもの(図書館法第2条)地方公共団体が設置するものを公立図書館といい、日本赤十字社、一般社団、一般財団が設置するものを私立図書館という。東京都の商業地域の場合は図書館から50m以上離れていないと許可が取れません。有名な話ですが新宿区役所の中にも中央図書館分室といった小さな図書館もありますのでご注意ください。

児童福祉施設

助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所(認可保育所に限る)、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センターの11施設です。児童館は保護対象施設に該当しますが学童クラブは保護対象施設に該当しません。東京都の商業地域の場合は児童福祉施設から50m以上離れていないと許可が取れません。また児童遊園は児童厚生施設の1つです。遊具のあるような公園は児童遊園の可能性が高いです。しかし遊具がないからと言って児童遊園ではないとも言えないのでやはり公園が近くにある場合はきちんと役所等に確認をしておこう。
 
【大学】【病院】【診療所(8床以上)】
これら3施設が東京都の商業地域の場合ですと、営業所の半径20m以内にある場合は許可がおりません。

病院

医師や歯科医師が疾病や疾患を持つ患者に医療を提供する施設のことをいいます。医療法の定義では「患者20人以上の入院施設を有するもの」とされています。つまりベッドの数が20床以上の入院施設を有するものを病院と呼び、19床以下のものを診療所、クリニック、医院として区別しています。東京都の商業地域の場合は病院から20m以上離れていないと許可がとれません。

第1種助産施設

第1種助産施設とは医療法の病院にあたる助産施設をいいます。
 
【診療所(7床以下)】【第2種助産施設】これらの2施設が東京都の商業地域の場合ですと、営業所の半径10m以内にある場合は許可がおりません。

診療所

入院施設が19床から0床のもので診療所、クリニック、医院です。0床の場合は保護対象施設に該当しません。東京の商業地域の場合は8床から19床の入院施設を有する診療所は20m、1床から7床の入院施設を有する診療所からは10m以上離れていないと許可が取れません。

診療所

入院施設が19床から0床のもので診療所、クリニック、医院です。0床の場合は保護対象施設に該当しません。東京の商業地域の場合は8床から19床の入院施設を有する診療所は20m、1床から7床の入院施設を有する診療所からは10m以上離れていないと許可が取れません。

第2種助産施設

第2種助産施設とは医療法の助産所にあある助産施設をいいます。

特定地域

東京都では特例で以下の地域では保護対象施設の有無を問わず、保護対象施設が近くにあった場合も許可を受けることができます。これらを特定地域といいます。
・中央区のうち、銀座4丁目から同8丁目までの区域
・港区のうち、新橋2丁目から同4丁目までの区域
・新宿区のうち、歌舞伎町1丁目、同2丁目(9番、10番及び19番から46番まで)及び新宿3丁目の区域
・渋谷区のうち 道玄坂1丁目(1番から18番まで)、同2丁目(1番から10番まで)及び桜丘町(15番及び16番)の区域

最後に

保護対象施設は最終的に許可がとれるかとれないか決まってしまうほど重要なことです。警察署に行ってここの場所は大丈夫ですか?などと訪ねても決して答えては貰えないので、区役所、保健所等をまわりきちんと調べてから申請に望みましょう。

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