2014-11-11
先月の17日に施行された従業者名簿の本籍・国籍欄の改正から1ヶ月が経とうとしていますが少し誤解されている方も多いようです。
少し解りづらく誤解し易い所なので今一度、何がどう変わったのか確認していきましょう。
これからは本籍・国籍は確認しなくてもOK?
多くの業者さんは「本籍・国籍の記載はしなくていいんでしょ、じゃあ面接時に運転免許証だけ確認すればいいよね、役所に行って住民票取ってきてとかって言わなくて済むから楽になったね!」と思うかも知れませんがそうではありません。
従業者名簿に本籍・国籍を記載する義務はなくなりましたが、引き続き本籍・国籍の解る確認資料で確認する義務は残ります。
従業者名簿を備え付ける義務と従業者名簿に記載すべき事項
風適法第36条
風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、店舗型電話異性紹介営業を営む者、第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者及び深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く)を営む者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごとに、従業者名簿を備え、これに当該営業に係る業務に従事する者の住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。
内閣府令 従業者名簿の記載事項(改正前)
- 性別
- 生年月日
- 本籍(日本国籍を有しないものにあっては国籍)
- 採用年月日
- 退職年月
- 従事する業務の内容
内閣府令 従業者名簿の記載事項(改正後)
- 性別
- 生年月日
- 採用年月日
- 退職年月日
- 従事する業務の内容
※本籍(日本国籍を有しないものにあっては国籍)がなくなりました
従業者名簿の記載事項を確認する義務と確認資料
風適法第36条の2
接待飲食等営業を営む風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者及び、第33条第6項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者は、当該営業に関し客に接する業務に従事させようとする者について次に掲げる事項を、当該事項を証する書類として内閣府令で定める書類により、確認しなければならない。
内閣府令 確認書類(改正前)
法第36条の2第1項各号に掲げる事項を証する書類として内閣府令で定める書類は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるものとする。
1 日本国籍を有する者 次に掲げる書類のいずれか
- イ 住民票の写し又は住民票の記載事項証明書(住民基本台帳法第7条第2号及び第5号に掲げる事項が記載されているものに限る。)
- ロ 戸籍の謄本、抄本、全部事項証明書又は個人事項証明書
- ハ 旅券法(昭和26年法律第267号)第2条第2号の一般旅券
- ニ 道路交通法(昭和35年法律第105号)第92条第1項の運転免許証(本籍欄に本籍が記載されているものに限る。)
- ホ イからホに掲げるもののほか官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該者の本籍及び生年月日の記載のあるもの
内閣府令 確認書類(改正後)
法第36条の2第1項各号に掲げる事項を証する書類として内閣府令で定める書類は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるものとする。
1 日本国籍を有する者 次に掲げる書類のいずれか
- イ 住民票記載事項証明書(住民基本台帳法第7条第2号及び本籍地都道府県名が記載されているものに限る。)
- ロ 戸籍の謄本、抄本、全部事項証明書又は個人事項証明書
- ハ 旅券法(昭和26年法律第267号)第2条第2号の一般旅券
- ニ 道路交通法(昭和35年法律第105号)第92条第1項の運転免許証(本籍欄に本籍が記載されているものに限る。)
- ホ イからホに掲げるもののほか官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該者の本籍及び生年月日の記載のあるもの
※住民票の写し又は住民票の記載事項証明書が住民票記載事項証明書(本籍地都道府県名が記載されているものに限る。)になりました。
改正前の内閣府令では本籍・国籍の確認書類は住民票の写し又は住民票の記載事項証明書(住民基本台帳法第7条第2号及び第5号に掲げる事項が記載されているものに限る。)でしたが
改正後は住民票記載事項証明書(住民基本台帳法第7条第2号及び本籍地都道府県名が記載されているものに限る。)に変更されました。
今までは東京都○○区□□丁目△△番地まで確認していましたが、本籍地においては都道府県名まで確認すれば良いということになりました。
そこで確認書類も「住民票の写し」から「住民票記載事項証明書」となりました。
住民票の写し」と「住民票記載事項証明書」の違い?
またややこしいのが「住民票の写し」と「住民票記載事項証明書」の違いです。
「住民票の写し」と「住民票記載事項証明書」は同じものではありません。住民票の写しでは本籍地を都道府県名までに留めた証明を受けることはできません。
「住民票記載事項証明書」であれば本籍地を都道府県名までに留めた証明を受けることができるます。
既存の従業者名簿
でに作成された従業者名簿の本籍・国籍の記載欄は削除すべきかどうかについてはそれぞれの経営判断になります。
既存の従業者名簿をひっくり返して全て従業者名簿から本籍・国籍欄を削除する必要まではありませんが、従業者のプライバシーや人権に配慮をするなら削除しても結構です。
まとめ
確認資料については引き続き不法就労等を防ぐ為、外国人の場合は在留カード等で国籍を確認し、日本人の場合は本籍の都道府県名が確認できる住民票記載事項証明書等で確認をすることになっていますのでご注意ください。